去年気に入ったアイドル曲(後編)

去年気に入ったアイドル曲の保管庫です。
改訂にあたって曲を10曲追加し、作詞作曲編曲のクレジットもできる限り書き加えました。
個人的には作家の名前で楽曲を判断することになる危険性を避けるために、クレジットはなるべく気にしないようにしているのですが、紹介するにおいては情報が多いことに越したことはないと思いましたので。




FantaRhyme - Blue Sky


作詞・作曲・編曲:H(eichi)
福岡のアイドルグループ。
名前からしてラップする人たちなんだろうな、と思ったんですが、聴いてみると見事なくらい直球なポップスなので驚きました。
まあルックスはマジでアイドルなのかと思っちゃったレベルなんですけど(失礼)、この曲は本当に良いですよ。


・フェアリーズ - 光の果てに


作詞:Satomi / 作曲:織田哲郎 / 編曲:KAZ
これはある意味期待票ですね。ここはメンバーの質も高いですし、もっと売れてほしいと思うので。
ヴィジョンファクトリーのトップの脳内がSPEEDの頃で止まってるのか、売り方が古臭かったですし、それで結果が出ないとなると焦ってなのかさらに迷走してますし、本当にメンバーが可哀想です。
この曲は初期のカッコよさみたいな面は減退していますけど、メロディーは織田哲郎らしく分かりやすくていいですね。


・平成琴姫 - メロディ


作詞・作曲:花岡将太郎 / 編曲:石川龍大郎
東京を中心に活動する4人組アイドル。これはネタで入れました。
なにより変わってるのが、大正琴を改良したオリジナル楽器「平成琴」を用いた謎のパフォーマンスですね。一見の価値あり。
アイドルグループが氾濫する中、皆いかに差別化するかに頭を悩ませているんですが、この方向性にはさすがに笑いましたよ。まあ実は曲も結構良いんですけど、見た目のインパクトが遥かにそれを凌駕している感じでしょうか。
でも間奏などで四人で平成琴を演奏しているところは、バンドっぽくてなかなか悪くない気もするのですが。
全然関係ないですけど、昔イカ天大正琴を使った「マサ子さん」ってバンドがありましたっけ。今はメンバーが2人も他界していて、諸行無常を感じます。


・BABYMETAL - イジメ、ダメ、ゼッタイ


作詞:NAKAMETAL TSUBOMETAL / 作曲:KxBxMETAL TSUBOMETAL TAKEMETAL / 編曲:教頭
僕はメタルが大好きなんで、ベビメタに食いつかないわけがない(笑)
初期はアイドルポップスにメタル的なエッセンスで味付けって感じでしたが、この曲はもろにパワーメタルに接近していてもう感涙です。いじめを題材にしたところも、ぶっ込んできた感じで良いです。
自分は好きですけどジャンルがジャンルだけに、普遍性は薄いのかななんて考えてましたが、なかなかどうして動員はたいしたもので、来年は武道館2DAYSですからね。もともとはさくら学院からの派生ユニットなのに立派。
珍しくライブに行きたいと思いました。ちょっと頑張ってみるかと一瞬考えましたが、やっぱりライブハウスは無理かなあ。


・BABYMETAL - メギツネ


作詞:MK-METAL NORiMETAL / 作曲:NORiMETAL / 編曲:ゆよゆっぺ
メタルとアイドルにさらに和の要素が融合して、なんかすごい世界になっています。
この曲はかなりメタルコアに接近してる感じになってますね。スクリーモとかパワーメタルとかポストハードコアとか、毎回毎回いろんなメタルのジャンルを軽々とやっちゃうのは、サウンドプロデュースの人がよっぽどメタル全般に造詣が深いんだろうなと感心。
今まではアイドルとメタルサウンドのギャップをネタ的に楽しむところもあったんですが、この曲は両者がかなりの加減で融合していてほとんどギャップを感じません。そこは好みが分かれるでしょうね。
YUI-METALとMOA-METALの「ソイヤソイヤソイヤソイヤ」という可愛い掛け声がいい感じ。


・BABYMETAL - 紅月-アカツキ-


作詞:NAKAMETAL TSUBOMETAL / 作曲:TSUBOMETAL / 編曲:教頭
『メギツネ』のカップリングですがこちらも良いです。
ロディアスなメタルチューンで、一時期のジャパメタ(陰陽座とか)を思わせる感じに仕上がっています。
タイトルからすると、X-JAPANへのオマージュでもあるのかな。メタルサウンドに絡みつくような鍵盤もいい味出してます。


Berryz工房 - ROCKエロティック


作詞・作曲:つんく / 編曲:鈴木俊介
この曲は一回聴いただけで覚えられて、それだけでも評価してるんですが、それよりも何よりもMVがすごい。
『Mr.Moonlight ?愛のビッグバンド?』を思わせる内容なんですが、ベリがこれやると何か面白いんですよね。
見ただけで面白いアイドルというのは、貴重な個性だと思いますよ。見ただけで失笑しちゃうアイドルはいくらでもいますけどね。
あと熊井ちゃんはやっぱりイケメンだなあ。


BELLRING少女ハート - サーカス&恋愛相談


作詞:空五倍子 / 作曲:田中紘治 / 編曲:宇田隆志
これは『推し増しTV』で知ったんだったっけ。一発で気に入った記憶があります。
プログレが入ったようなシアトリカルでサイケデリックな楽曲と、ところどころ歪みを見せるトラック、音痴と紙一重のヴォーカル(わざとずらすように指示してるって話も聞いたけど、そんな技量あるのかなあ)が三位一体となって、変なカオスを作り出しています。
アルバムも聴いてないですけどすごく良いって評判なので、なるべく早く何とか入手したいものです。


前田敦子 - タイムマシンなんていらない


作詞:秋元康 / 作曲・編曲:you-me
とにかく前田敦子の声って好きなんですよ。曲調も開放的でいい感じですし。
彼女はAKBの末期はプレッシャーに押しつぶされそうになるのを何とか耐えている感じがすごくて、見ていて気の毒になるくらいだったんですが、卒業後はその軛から解放されたのか、昔のような明るい表情が戻ってきましたね。
MVを観ても自然体な感じで、随分綺麗なお姉さんになったなと、妙に感慨深い気分になりましたっけ。


・町あかり - もぐらたたきのような人


作詞・作曲・編曲:町あかり
乃木坂メンバーがMCを務めるニコ生の番組『生のアイドルが好き』で観て、衝撃を受けた一曲。
農業高校のOGみたいな風体で、アイドルには見えないしなんだろこの人と思ったら、歌がまたなんだこりゃって感じでひっくり返りました。
本当に一回聴いたら頭から離れないんですよね。中毒性の高い洗脳ソング。無駄に歌が上手いのもまた何というか良い味出してます。


モーニング娘。 - 愛の軍団


作詞・作曲:つんく / 編曲:大久保薫
モーニング娘。はメジャーアイドルにしてはメンバーに華がないように感じるので、正直な話ほとんど興味がないんですが、これは割と気に入りました。
とにかくトラックがカッコいいですよね。まあこれはつんくの功績ではなく、大久保薫の功績なんですが(これはEDM路線全般に言えるかも)。それと「ほんと?」の連呼も耳に残りました。
トレードマークのフォーメーションダンスも、猫背中腰でのこのこ移動するところとかユーモラスで笑えて、そのせいかMVは何度も観ました。この路線でずっと行くのは、手足を自ら縛るようなものですからどうかと思いますけど。
あとモーニング娘。の曲では『ブレインストーミング』も、モールス信号みたいな変なメロディーと、小島よしおの「そんなの関係ねぇ」を導入した振り付けで印象には残ってます。
しかし最近のハロプロのMVは、日本語と英語の字幕が仕様になってるんですね。これは海外向けのアピールしてるんでしょうか。正直邪魔なんですけど。


ももいろクローバーZ - 仮想ディストピア


作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:AKIRASTAR
ももクロはギミックがメンバーを置き去りにしている曲が多くなって、昔ほど乗り切れなくなってるんですけど、この曲は好きです。
しかしシングルよりアルバム曲のほうがポピュラリティがある、というのが何とも不思議な話ですね。まあそういうところもももクロらしいのでしょうけど。
それにしても近年の膨張振りはすごいですよね。無印時代に2度ほど観て、「これは売れるだろうな」とは思ったんですけど、ここまでになるとはさすがに予想してませんでした。
ももクロだけでも相当なのに、エビ中やしゃちやたこやきレインボーなども合わせて確実に一大勢力を成していますし、このへんには素直に感心します。
あと「全力」というのを魅力的に見せるのが上手いです。いくら全力でも悲壮感が漂ってたら観ていて楽しめないですし。そのへんは女優系の事務所だからなのかな。


・夢みるアドレセンス - 泣き虫スナイパ→


作詞:井筒日美/作曲・編曲:上杉洋史
中高生向けのファッション雑誌『ピチレモン』の現役モデルとOGモデル6名で結成されたガールズユニットなんだそうです。
さすがに脚が長くて細くてスタイルも良くて、すらっとした女の子好きの僕からすると、観ているだけで気持ちいいです。
もちろん曲も良いと思いますよ。アレンジは普通ですが、メロディが好きです。


ゆるめるモ! - SWEET ESCAPE


8人組のアイドルユニット。「You'll Melt More!」で「ゆるめるモ!」なんだとか。
70年代のジャーマン・プログレ(ノイ!とか)みたいなトラックが気持ち良くて、そこにゆるいヴォーカルが載ると、10分があっという間に過ぎてしまいます。
MVも静かな狂気を秘めている感じがして、結構好きですね。面白い。


・ライムベリー - SUPERMCZTOKYO


作詞・作曲・編曲:巣瀬哲生
最近のヒップホップにはまったくついていけない僕ですが、これはオールドスクールな感じで気に入りました。
80年代を思い出すのが、おっさんの琴線に触れるのでしょうかね。


愛乙女★DOLL - ビターチョコ・バレンタイン


作詞・作曲:SHUN
「ラブリードール」と読みます。元AKB48研究生の愛迫みゆ(AKB時代は上遠野瑞穂)と佐野友里子が在籍していることで一部に知られています。
この曲はダンサブルなサウンドでありつつ、哀愁漂うメロディとかコーラスとか間奏の泣きのギターとか、切なくて良いですね。
佐野さんはAKBを気の毒な辞め方したんで、少しでも陽の目を見てくれると嬉しいなと思ってます。


RYUTist - Beat Goes On! 〜約束の場所〜


作詞:田中良 / 作曲:太田彩美
新潟県新潟市古町を活動拠点とする、4人組女性アイドルグループ。
前から曲が良いみたいな噂は聞いてたんですが、聴いてみるとピュアで優しい歌声と、繊細で味わい深いメロディーがなかなかですね。
また板尾創路の『砂渡し爺』、ハナレグミの『家族の風景』、ボン・ジョヴィの『You Give Love A Bad Name』、スペクトラムの『サンライズ』をカバーするなど、独特のセンスも持っているみたいです。


lyrical school - PARADE


作詞・作曲・編曲:tofubeats
6人組のヒップホップアイドルユニット。略称リリスク。もともとはtengal6という名前でした。
トラックがいいなあと思ったら、これもtofubeatsが関わってるんですね。ハッピーなラップチューンで、聴いていて楽しくなります.
MVのロケーションもファミレスっぽくていい感じ。


・リンダIII世 - 未来世紀eZ zoo


作詞:只野菜摘 / 作曲:TOMISIRO
群馬のアイドルユニットで、全員日系ブラジル人で構成されているという変り種です。一人以外は生まれもブラジルなんだとか。
平均年齢13.5歳と若いグループですが、ブラジルの血のせいか全員大人びて見えるのがいい感じですね。雰囲気からして他のアイドルと全然違います。
曲はブラジルで流行しているバイリ・ファンキというジャンルを取り入れていて、これもやはり独特です。不勉強でブラジルの音楽と言えばサンバやボサノバ、そしてメタル(セパルトゥラとかANGRAとか)しか知らなかったんですが、テクノとブラジリアン・ミュージックが混ざり合った感じで面白いですね。
友人が一度TIFで彼女たちのステージを観たそうですが、本当に素人丸出しな感じである意味すごかったそうです。ただMCはカタコトな感じで可愛かったとか。


渡辺麻友 - ラッパ練習中


作詞:秋元康 / 作曲:黒須克彦 / 編曲:立山秋航
ブラスがいい感じで響いて、まゆゆの曲の中では異質な感じですが、これはこれでいい感じ。
これでつんくのコーラスが入ったら、そのまま10年前くらいのハロプロ曲になるなという気もしないでもないんですけど。
まあでもAKBのメンバーの中でも、最もソロ歌手として佇まいが成立しているのはまゆゆですねえ。