今日の一曲

最近仕事の休み時間には、音楽を聴いていることが多いのですが、昨晩たまたまメタルやハードロックを聴いたらテンションが上がってしまいまして。
つーわけで今日はメタルやハードロックの中でもあんまりビッグネームじゃなく、やや忘れられている存在のバンドをいくつか載せてみようかと思っています。
このバンド全部好きっていう人がいたら、お友達になりたいくらいです。まあ僕の友達になってもいいことは何もありませんけど。


とりあえず最初は英国のグリム・リーパーから。


Grim Reaper - See You In Hell


グリム・リーパーは80年代中頃に、英国でヴォーカルのスティーブ・グリメットを中心に結成されたバンドです。
彼らは87年までに3枚のアルバムを発表していて、インディーズでありながらアルバムが米国でトップ100に入るなど、この手のバンドの中では比較的成功したほうかもしれません。
この曲はお金がなかったせいなのか、ベチャッとした音質が気になりますが、スティーブの熱唱ぶりはなかなか聞かせるものがあります。曲もシンプルかつキャッチーですし。
なおバンド解散後、スティーブはオンスロートを経てライオンズハートを結成し、素晴らしい出来のデビューアルバムを発表して、やっぱりすごいヴォーカルなんだと再認識させてくれました。
しかし勢いに乗って来日した中野サンプラザ公演では、歌詞をまったく覚えておらず床にカンペを貼って終始下を向いたまま歌うという醜態をさらし、メディアにぼろくそに叩かれて消えました。残念。


続いては日本でも人気のあったライオンです。


Lion - Transformers


この曲は映画『トランスフォーマー・ザ・ムービー』の主題歌だったので、知っている人もいるかもしれません。
メロディのキャッチーさ、アレンジのバランスの良さ、カル・スワンのヴォーカルとダグ・アルドリッジのギターの格好良さ。どれをとっても素晴らしい隠れた逸品です。
ライオンはヴォーカルのカルを中心として83年に結成されたバンドです。
結成されたのはロサンゼルスなので、一応LAメタル一派と数えられることが多いですが、英国出身であるカルの深みのある情感豊かなヴォーカルのせいもあって、英国らしい湿度を失わなかったところが特色でしょうか。
ライオンは良い楽曲も多かったのですが、日本以外ではなかなか人気が出ず、そのうちドラマーがモーターサイクルレースで首を骨折して引退するなど不幸に見舞われ解散してしまいます。
その後カルはダグとバッド・ムーン・ライジングを結成しますがこれも成功せず、現在は音楽界から身を引いているようです。
なおダグはホワイトスネイクのギタリストとして今も第一線で活躍中。


続いてはこれもいまいち人気のなかったヒーゼンです。


Heathen - Set Me Free


ヒーゼンはソ連からの亡命者でもあるリー・アルタスらを中心として、80年代半ばに結成されたバンドです。
ジャンルは一応スラッシュメタルになるんですが、この手のバンドにしてはメロディアスで、リーとダグ・ピアシーの2人のギターワークのスリリングな掛け合いもあって、パワーメタルに近い部分が多かった印象があります。
またテクニカルな展開が多かったところは、メガデスあたりに通じるものがあるかもしれません。
この曲はスウィートのカバー。原曲よりスラッシーかつパワフルに仕上がっていて、米国で小ヒットしました。
一度解散していますが、04年に再結成し、来日もしているそうです。


次はそのリー・アルタスが現在メンバーに加わっているエクソダスです。


Exodus - Bonded By Blood


スラッシュメタル黎明期から活動している、老舗的存在のバンドです。メタリカのギタリスト、カーク・ハメットも在籍経験があるくらいです。
このバンドの特徴は「ベイエリア・クランチ」と呼ばれるザクザクとしたギター・リフと、ポール・パーロフの呪術的なヴォーカルでしょうか。
当時CDを聴いたとき、激烈なカッティングに載せてヘタウマと言うか、マジでヘタなんだけど狂気を感じるヴォーカルが頭上から降ってくる感じがして、ちょっと呆然としたのを覚えています。
この曲はファーストアルバムの1曲目を飾った曲です。前のめりなんだか後ろのめりなんだかわからない闇雲な狂気と、クセになるギターリフとヴォーカルが最高ですね。
なおポールは02年に脳卒中のため亡くなっていますが、バンドは今も健在で精力的にライブを続けています。


続いてはほとんど忘れられているストーン・フューリーです。


Stone Fury - Break Down The Walls


ストーン・フューリーは80年代中頃にちょっとだけ活躍したバンドです。
基本的にはよくあるメロディック・ハードロックですが、レッド・ツェッペリンロバート・プラントそっくりなレニー・ウルフのヴォーカルには光るものがありました。
この曲はリフのカッコよさとサビの哀愁味のコントラストが印象的で、LAメタルの中でも屈指の名曲なんですが、残念ながら他の曲はちょっと・・・って感じで、いまいち成功には至りませんでした。
なおレニーは後にその声質を生かして、レッド・ツェッペリンのスタイルを模した音楽性のバンド、キングダム・カムを結成してブレイクしますが、評論家やミュージシャンから「偽物」呼ばわりされるなどの激しいバッシングを受け失速しました。
特にゲイリー・ムーアは『Led Clones』(ヴォーカルはオジー・オズボーン)という曲まで書いて攻撃していましたっけ。
当時個人的にはやりすぎだと思いましたけど、要するにレッド・ツェッペリンはミュージシャンからしても「神聖にして侵すべからず」的な存在ってことなんでしょうね。


続いては全然売れなかったハードラインです。


Hardline - Hot Cherie


ハードラインは元ジャーニーのギタリスト、ニール・ショーンが、無名のミュージシャンを集めて91年に結成したバンドです。
しかしスケールの大きなサウンド、ポップなメロディ、そしてネームバリューと売れる要素満載だったにもかかわらず、セールス的には不発に終わり、一部の好事家以外には知られていないバンドになってしまいました。
この曲はデビューシングル。ヴォーカルのやっていた無名バンドの曲だったそうですが、エモーショナルな哀感たっぷりのヴォーカルが聴きどころの、メロディアスハードロックチューンに仕上がっています。
はっきり言って多くのアメリカン・ハードロックの中でもかなりレベルの高い曲だと思うのですが、なんで売れなかったんだろう。
なおハードラインは1枚のアルバムを出しただけでニールが脱退したため、一時自然消滅していましたが、後にニール抜きで再結成してアルバムをリリースし、現在も活動しているようです。


ハードな音ばかりが続いたんで、最後はアコースティックなバラードで締めることにします。


Tesla - Signs


テスラは80年代後半に活躍したバンドです。
アメリカン・ブルース・ロックの王道的なバンドですが、わかりやすいメロディとハードにドライブするスタイルを持っており、一時はかなりの人気を誇っていました。
ただ日本ではあまり評価されてなかったという記憶がありますね。日本人に受ける哀愁味みたいなものが足りなかったのでしょうか。
この曲はファイブマン・エレクトリカル・バンドのカバー。正直言うと原曲は知らないんですが、なかなかいい曲ですな。
80年代後半から90年代のアコースティックブームのはしりが、この曲とガンズ・アンド・ローゼズの『Patience』だったという印象があります。
なにしろあのベックがアコースティックライブをやったとき、この曲を引き合いに出したというくらいですから。


一気に7曲も出したらさすがに疲れましたw
とりあえず寝ることにします。