今日の一曲

PVに異常に力を入れてるバンド、と言われると、すぐに思いつくのがトゥールです。
トゥールはアメリカのプログレッシブ・ヘヴィ・ロックバンドで、様々な要素の混在する陰鬱で独特の音世界や、複雑で重厚な曲展開、そしてそれを支える超テクニカルな演奏力が特徴です。
またギタリストのアダム・ジョーンズがハリウッドで映画の特殊メイクや特殊エフェクトデザインをする仕事をしていた(『ジュラシック・パーク』『プレデター』『ターミネーター』などに関わっていた)経歴を持つため、PVのほぼ全てを自らの監督で撮影しています。その映像は幻想的かつグロテスクで、観る者に鮮烈なインパクトを残していきます。


Tool - Stinkfist


ダークで奇怪かつ難解でありながら、抑揚の付け方が非常に巧く飽きさせない構成の名曲。
聴いている人間の心の内の、最も暗く脆くグロテスクな部分を掴んで離さない魅力があります。


Tool - Vicarious


彼らにしては珍しく解りやすい音。それでいて不穏感も強いのが彼らならではですが。
キャッチーなメロディーに乗せて「離れた安全な場所から全世界が死にゆくのを見たい」と歌うところがやっぱり怖い。


正直音は好き嫌いが分かれると思いますが、映像はとにかく強烈です。ほとんど映画。
こういう世界は間口が狭い分、入ったら抜け出せないところがあるんですよね。蟻地獄です。