アジアカップ決勝戦 日本 vs オーストラリア

夜中に観ました。
録画して深夜3時過ぎに観たので、リアルタイムでの感動は味わえなかったのですけど、それを差し引いても面白い試合でした。
オーストラリアのフィジカルと空中戦の強さに苦しんだ日本ですが、粘りの戦いで決してゴールを許さず、最後は李忠成の左足ボレーで決勝点と実にカタルシス溢れる内容で、明け方過ぎに快哉を叫んでしまいましたよ。
李のゴールは駆け込み、落下点予測、判断、シュートフォーム、試合に与える影響、どれをとっても完璧でした。何度見ても良いですな。
長友のクロスもすごい。あれが狙って打てたんだったら、欧州のほとんどのクラブで先発いけるレベルです。所属するチェゼーナが下位のクラブで守りに徹しているため、セリエAでは本領発揮とまではいってない感じですが、中位くらいのクラブに行けたら絶対活躍できますね。献身的な動きも素晴らしいですし。
川島も良かったですね。相変らずここ一番では神がかり的なセーブを見せてくれます。今大会ではいくつか苦境もありましたが、動じない強さを見せてくれました。
大会MVPは本田でした。以前の彼は「自分が、自分が」というところが強くて、いい意味でも悪い意味でもセルフィッシュな選手でしたが、今大会は香川や前田らを懸命に生かそうと奔走し、一皮も二皮も剥けた印象がありましたね。


正直今大会はサウジアラビア戦を除くと内容的には苦しく、どちらに転んでもおかしくない試合ばかりでしたが、選手はタフに戦って今回の栄冠を勝ち取りました。素晴らしい戦いぶりでしたね。
日本代表に必要なのは成功体験に裏打ちされた自信、と前にツイートしたことがありますが、今の代表はまさにそれを得て生まれ変わったような状況にあるように感じました。速く的確かつ冷静でした。
理由は複合的なものでしょうが、圧倒的に嫌な予感を漂わせて挑んだW杯で良い結果を出したこと、そしてその後の欧州での個々の選手の活躍が大きいんでしょう。
あとザッケローニの采配がピタリと当たっていて、見ていて気持ちよかったです。ジーコ、岡ちゃんと選手交代の上手くない監督を見ていただけに、余計にその感が強いです。
終戦での岩政と吉田という空中戦に強い選手をセンターバックに並べ、さらに長友を1列前に上げるという采配は、奇策と言えば奇策ですが、結果オーストラリアの空中戦を封じつつも突破力が大いに生きる展開となったわけで、ザックの選手起用が光ったかたちとなりました。
動きが良くない部分を適切に改善でき、更に相手に混乱を与えるような采配が何度も当たったっていうのは、間違いなく監督の采配力の高さだと言ってしまっていいと思います。
このへんはさすがイタリアのビッグクラブを長い間率いてきた監督だけあるな、という感じでした。控え選手の士気を高め23人全員の力を引き出すなど、モチベーターとしての能力も高そうで、今後にもすごく期待できそうですね。


今大会で日本代表はアジア王者の地位を奪回し、コンフェデレーションズカップへの出場も可能になりました。
夏にはコパ・アメリカにも出場しますし、これからもどんどん経験値を積んで成長していってほしいものです。