液体愛好者の日常

こんばんは。


今日も休みだったので、たまにはどこかに出かけようかなとか思ってたのですが。
昼に久しぶりにカルボナーラを食べたら、気分が悪くなって一時寝込んじゃいました。
もうこってりしたクリーム系パスタとかそういう重いものは、体が受け付けなくなってるのでしょうか。だとしたら僕も老いたなあ。


まあ寝込んでいたせいで、レコーダーに溜め込んでいた番組をたくさん見ることが出来て、それはそれでよかったんですが。
特にアイドリング!!!はなかなか面白いのが多かったですね。おかげでかなり気分が明るくなりました。
体調も元に戻ってきたので、明日こそはどこかに出かけようかな、なんて思っています。行くあてもお金も全然ありませんけど。

テレ東


彼らはテレ東にいったい何を期待しているんだろう。


テレビ東京は31日、東日本大震災の報道にからみ視聴者から約600件の抗議をメールと電話で受けていたことを明らかにした。


同局では震災発生直後の11日午後2時54分から12日午後11時55分まで、災害報道で最長となる33時間1分の特別報道番組を連続放送。その後レギュラーのアニメ番組「テガミバチ」(土曜後11・55)を放送した。この対応に「アニメ番組を流すのは不適切」などの抗議が殺到したという。


この日都内で開いた定例会見で、島田昌幸社長は「激励も90件ほど頂いたが、多くがおしかり。貴重な意見として生かしたい」と話していた。


http://www.sanspo.com/geino/news/110401/gnj1104010506019-n1.htm


僕はテレ東が特別報道番組から『テガミバチ』に切り替えたところをちょうど観てましたけど、正直ほっとしましたよ。報道はそりゃ大事ですけど、そればっかりだと息が詰まりますから。
ですから早々に通常放送をしたのは、素晴らしい決断だと思ったんですけどねえ。アニメ放送中もちゃんとL字で災害情報も流してましたから、問題もないはずですし。
震災以降自粛の押し付けをする人が増えましたけど、そういう手合いは自分が絶対善だと思ってるからタチが悪いわけで。そういうのは自分の嫌いなものを頭ごなしに否定するために、震災・被災地・被災者を利用しているだけなのに。
とりあえず抗議した連中には、「気に入らないならさっさとチャンネル変えろよ、バカ」と言ってあげたいですね。
それに彼らは、無駄な通話・メールは控えようってCMや広報を無視してる事に対しては何も思わないんでしょうか。お前らのほうがよっぽど不謹慎だろ。
こんなのといつも向き合わなきゃならんとなれば、そりゃテレビがつまらなくなるわけです。
まあこれではテレ東があまりに気の毒なんで、激励のメールを送っておきました。頑張れテレ東。

今日の一曲

目を離すとすぐにマイナーに走るこの項目。今回もマイナーかつ自己満足でお送りします。


前回のアンテナの際、プロデューサーのジョン・フォックスの名前に惹かれてレコードを買ったということを書きましたが、僕にとってはそれくらい好きなミュージシャンだったのです。
ただ現在第一線で活動していないので、知名度はかなり低く、特に若い人は名前すら聞いたことがないんじゃないでしょうか。というわけで今回はジョン・フォックスです。


ジョンが表舞台に初めて登場したのは、ウルトラヴォックスというバンドのリーダーとしてでした。
メンバー変更後シングルヒットを数多く出してブレイクしたウルトラヴォックスですが、ジョンが在籍していた頃はミュージシャンからの受けはよかったものの、それが商業的な成功には結びついていない不遇のバンドでした。
しかしそのサウンドは斬新で、グラムロックをルーツとするパンキッシュなロックンロールと、実験的なエレクトロニクスが同居した奇抜なサウンドは、来るべきテクノポップ時代のオリジネーターとしての萌芽を感じさせるものでした。


Ultravox - Young Savage


これは77年か78年頃に出たシングル。当時先輩に輸入盤を聞かせてもらって、すごくカッコいいと思いましたっけ。
後のジョンの作品にはない、攻撃的な部分が若さを感じさせます。


ウルトラヴォックスの評価を決定づけたのは、78年に発表された3rdアルバム『Systems Of Romance』でした。
クラフトワークやカン(『愛は勝つ』の人じゃなく)などとの仕事で知られたコニー・プランクをプロデューサーとして迎え、ノイ!やハルモニアなどのジャーマン・プログレが始めたエレクトロニクスとの取組みをさらに発展させたサウンドを展開したこのアルバムは、70年代パンクがいかに80年代テクノポップへ移行していったのかを、象徴的に見せてくれる歴史的重要作となりました。
シンセサイザーを中心として構成された音作りや、シンセやリズムマシーンと生楽器との絡ませ方などは、後発のグループに多くの影響を与えています。YMO細野晴臣坂本龍一にこのアルバムを聴かされて強い影響を受け、『ソリッド・ステイト・サバイバー』のベース音を録り直したというのは有名な逸話です。


Ultravox - Slow Motion


PVはないようなので、これで代用。
このアルバムは当時国内盤が出なかったので、お小遣いを貯めて初めて輸入盤を買いました。
内向的で陰影に満ちたヨーロッパ的なデカダンが結実した曲ですが、エッジの効いたギターとかはパンクっぽい攻撃性が残っています。


しかしこのアルバムはあまりにも時代の先を走り過ぎたのか、商業的な成功にも高い評価にも結びつかず、ショックを受けたジョンは
「もうウルトラヴォックスでボクがやれることは何も残っていない」
という言葉を残し、78年の全米ツアー後に脱退してソロに転向します。
ウルトラヴォックスは後に新メンバーを迎え、方向性をよりコマーシャルにして成功しますが、それはまた別の機会に。


ソロになったジョンは、バンドから離れて思う存分エレクトロニクスに傾倒した音を出すようになりました。
特に初期の作品はメタリックでメタフィジカルでオートマティックな世界を展開し、絵画的な印象を受けるほどです。


John Foxx - Underpass


これはデビューアルバムからのシングル。
ほとんどジョン一人が自前のスタジオで製作しているのですが、多分8チャンネル程度しか使っていないであろうシンプルさが潔いです。
クールでかつ使用している音も斬新で、後発のテクノ系ミュージシャンとは一味も二味も違うところを聴かせてくれます。


John Foxx - He's a Liquid


これもデビューアルバムから。
シンプル過ぎて不安になってくるような奇妙な曲です。


John Foxx - Burning Car


これは当時シングルのみリリースで、アルバムには収録されていなかった覚えがあります(再発アルバムには収録)。
実はPVもさっき初めて観たんで、埋め込み出来ないにもかかわらず載せてみました。ようつべで見てください。
この曲も非常に無機質で、インダストリアルに通じる部分さえある先鋭的な音になっています。彼の音は活動時期によってかなりの変遷を遂げているのですが、個人的にはこの頃の音が好きですね。


John Foxx - Europe After The Rain


それまでの無機質さからがらりと趣が変わり、ヨーロッパ的センチメンタリズムとポップさをエレクトロニクスで融合させた音になっています。
穏やかで陰影があり、ふくよかな温かみさえ感じさせるこの曲は、英国でヒットしたほか、日本でもホンダのスクーターのCMソングとして使われました。


その後彼は音楽から急速に興味を失い、凡庸な作品を数作リリースした後、85年以降はグラフィックアートとしての活動に軸足を移すようになります。
97年に復帰後はアンビエント・ミュージックに傾倒し、カトリシズムを取り入れた作品をいくつか発表するほか、ハロルド・バッドらとのコラボレーションも行っています。